図書館からのお知らせ

 
  

池松辰男先生より図書を寄贈していただきました

公開日 2022年06月13日

西洋倫理思想の考え方 / 池松辰男著

2266203

目次:
まえがき
イントロダクション
「倫理」とはなにか/西洋倫理思想史をたどるにあたって――道標としての「幸福」/「よき生」
読書案内

第一章 古代ギリシア・ローマの倫理思想――幸福であるとはどのようなことか
1 倫理学の問いの源泉(一)――ソクラテス
はじめに――一つの時代の黄昏/「知を愛し求めること」のはじまり――ソクラテスの活動の原点/「知を愛し求めること」の意味――ソクラテスにおける哲学-倫理学の基礎

2 倫理学の問いの源泉(二)――プラトン
ソクラテスからプラトンへ――ものの「よさ」を問うとはどういうことか?/プラトンの「イデア論」/「善のイデア」に向き直ること、あるいはプラトン的恋愛――プラトンの倫理思想①/いかに実践すべきかをめぐって――プラトンの倫理思想②/生のままならなさの自覚――プラトンと西洋倫理思想史
コラム 民主主義の時代のプラトン――「哲人王」の解釈をめぐって

3 幸福と徳――アリストテレスの倫理思想(一)
「アリストテレスからは立派な生を」――アリストテレスとその時代/善のイデア――再考――すべてに共通の「善」はありうるか?/すべてに共通の善ではなく、「人間にとっての善」を/生命という視点――「生きる」ということの意味をめぐって/人間の働きからの論証――「生きること」の問いから「よく生きること」への問いへ/「活動」とはなにか――アリストテレスの「幸福」の前提①/「徳」とはなにか――アリストテレスの「幸福」の前提②/アリストテレスの徳論① 思慮/アリストテレスの徳論② 性格にかかわる徳/アリストテレスの徳論③ 中庸
コラム 正義と友愛――他者との関係にかかわる徳と現代政治哲学

4 アリストテレスの倫理思想(二)
徳ある人生の勧め/徳倫理学――現代における「徳」のルネサンス/アリストテレスの倫理学の課題① 「人間らしく」生きれば幸福なのか/アリストテレスの倫理学の課題② 英雄時代のあとに、徳は再生可能か
5 ヘレニズム以降の倫理思想――ストア派の場合
「もしアレクサンドロスでなかったら……」――世界市民の誕生/ストア派における「自然」――自然に従って生きる/ストア派の倫理思想――「星とともに走っている者のように、星の運行を眺めよ」/「宇宙の片隅」を生きる――ストア派とグローバル時代の生
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第二章 キリスト教の倫理思想――私たちは幸福でありうるか
1 アウグスティヌス(一)
はじめに――キリスト教の倫理思想と哲学/ローマとキリスト教――「西欧の教師」アウグスティヌスとその時代/アウグスティヌスの半生① 愛欲と別れを巡る苦悩/アウグスティヌスの半生② 別れの避けがたさと、自己の弱さの自覚

2 アウグスティヌス(二)
徳ある人生を考え直す① 徳は本当に万能か/徳ある人生を考え直す② 徳の意味すること/徳ある人生を考え直す③ 真の徳とはなにか/時間と時間を超えるもの――アウグスティヌスの時間論①/時間と分散する生――アウグスティヌスの時間論②/神のうちに安らうこと――アウグスティヌスの時間論と幸福論/神への愛――アウグスティヌスにおける実践の基礎①/隣人愛――アウグスティヌスにおける実践の基礎②/アウグスティヌスの遺産――恩寵と自由意志
コラム 地上の政治社会はなにをすべきか――「旅人」たちの政治思想

3 トマス・アクィナス
中世のキリスト教哲学――プラトンとアリストテレス、再び/アリストテレスの哲学・再考――事物はなぜ生成変化するのか?/自己の完成としての幸福――トマスにおける「幸福」の基本①/再び、この世において幸福でありうるか?――トマスにおける「幸福」の基本②/「神の似姿に向かって」――トマスにおける「幸福」の基本③/トマスの徳論① 倫理的徳/トマスの徳論② 対神徳/恩寵は自然を破壊せず、完成させる/知と信仰の関係、再び――中世の終わり、あるいは近代の始まりへ
コラム 付随的被害は許されるか?――トマスの二重結果説と現代
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第三章 カント倫理学――私たちは幸福に値するか
1 「自由」と「科学」の時代の倫理学――カント倫理学の基本前提
近代化と「自由」――カントとその時代/自由と決定論の問題① キリスト教哲学の場合/自由と決定論の問題② 近代自然科学の場合/自由と決定論の問題③ カントの場合/自然科学はなぜ可能なのか?――カントの認識論/カントの認識論のもう一つの意味――自由を救うために

2 「自律」としての自由と定言命法
「なすべきであるがゆえに、なすことができる」――当為と自由/自由の法則としての倫理の法則を求めて/カントの「定言命法」① 定言命法の基本/カントの「定言命法」② 定言命法が意味すること/カントの「定言命法」③ 定言命法と意志の自律としての自由

3 カント倫理学の検証 定言命法の特徴と課題
定言命法の意義――近代の「自由」を問い直す/定言命法の特徴と課題① 形式主義/定言命法の特徴と課題② 動機主義/定言命法の特徴と課題③ 動機主義と「幸福」の不在の問題
コラム カントの法論と徳論――法律になければなにをしてもよいか?

4 最高善、再び――カントの幸福論
カント倫理学の特徴――幸福と倫理の分離/なぜ幸福は倫理の原理にならないか――カントの幸福論①/私たちは「幸福に値する」のか?――カントの幸福論②/一つの手がかり――定言命法のもう一つの方式をめぐって/カントの「最高善」――倫理と幸福のすみわけと接点/世界市民、再び――カントの生涯
コラム 神は人に報いるのか?――応報倫理の魅力と危うさについて
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第四章 功利主義――幸福は計算できるか
1 快苦のバランスシート――功利主義の基礎
功利主義の誕生とその時代① もう一つの「革命」/功利主義の誕生とその時代② ベンサムの生涯とその活動/功利主義の基礎① 功利性の原理/功利主義の基礎② ベンサムの「オリジナリティ」?/功利主義の基礎③ 幸福を量化する/功利主義の基礎④ 快楽計算とその前提/ベンサムのフィクション論――倫理を語るとはどういうことか/ベンサムのあとで――功利主義の流行の時代へ

2 功利主義の展開
功利主義の「わかりやすさ」/動物は倫理の対象となるか?――功利主義の前提が意味すること/動物を解放せよ――功利主義的動物倫理と現代社会/功利主義と利他主義――困窮を助けないことは不正か?

3 功利主義の課題の検証
幸福は本当に数えられるのか?(一)――快楽主義の問題/幸福は本当に数えられるのか?(二)――快楽は一種類だけか?/集計結果がすべてなのか?(一)――帰結主義の問題/集計結果がすべてなのか?(二)――分配原理の欠如の問題/なぜ集計結果に従うべきなのか?(一)――利己主義の問題/なぜ集計結果に従うべきなのか?(二)――功利主義は利己主義を説得できるか
コラム 「隠れて生きよ」――快楽主義の賢者たち
コラム ロールズの正義論――現代政治哲学の火付け役
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終章
あとがき
索引


貴重な資料をありがとうございました。

 

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