図書館からのお知らせ

 
  

諸岡了介先生より図書を寄贈していただきました

公開日 2021年06月07日

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ヨーロッパの世俗と宗教 : 近世から現代まで / 伊達聖伸編著

(諸岡了介先生 [ほか] 著)

 

目次

 

序論 本書の目的・特色・構成 ... 伊達聖伸

第I部 総論 世俗の時代のヨーロッパにおける政教関係の構造と変容

伊達聖伸、小川公代、木村護郎クリストフ、内村俊太、江川純一

オリオン・クラウタウ、加藤久子、立田由紀恵、井上まどか

 

はじめに

 

第1章 近世─宗教改革から領域主権国家の確立と王権の強化まで(一六世紀~一八世紀)

 一 スペイン─レコンキスタとカトリック的な王国の形成

 二 ドイツ─宗教改革から領邦教会制へ

 三 イギリス─国教会の成立から二つの革命へ

 四 フランス─宗教戦争から絶対王政へ

 五 南欧─教会国家再編のイタリア、王権強化のポルトガル

 六 東中欧─宗教改革の「先行性」と帝国的な「宗派化」のもとの寛容

 七 南東欧バルカン地域─オスマン帝国統治下の寛容と「イスラーム化」

 八 ロシア─正教における帝権と教権、そして宗派化と帝国的な「寛容」

 

第2章 近代─世俗的世界観の覇権の時代(一九世紀~二〇世紀前半)

 一 フランス─「二つのフランスの争い」とライシテの確立

 二 スペイン─「二つのスペインの争い」か、カトリックの優位か

 三 イギリス─国教徒と非国教徒の作り出すダイナミズム

 四 ドイツ─政教分離の論理とプロテスタント的なナショナル・アイデンティティ

 五 南欧─「二つのイタリアの争い」、「二つのポルトガルの争い」

 六 東中欧─帝国(のはざま)の政治的・宗教的アイデンティティ

 七 南東欧バルカン地域─反西欧的な宗教的ナショナリズム

 八 ロシア─宗教的ロシアに対する二つの評価とソヴィエト体制下の政教分離

 

第3章 現代─宗教的なものの回帰と再構成(二〇世紀後半以降)

 一 スペイン─イスラームに寛容なカトリック的ライシテの国?

 二 ドイツ─「キリスト教優遇型」の存続か変化か

 三 イギリス─多様性の承認とブリティッシュネスの共有

 四 フランス─ライシテの試練

 五 南欧─カトリック優位の「宗教的多元主義」

 六 東中欧─社会主義体制下の無神論から冷戦後のカトリック復興へ

 七 南東欧バルカン地域─宗教とナショナリズムの結合と再活性化

 八 ロシア─自由と管理の独特の編成

 おわりに

 

第II部 各論 世俗的ヨーロッパにおける宗教的なものの輪郭

〈政教関係の自明性を揺さぶる〉

第1章 一六、一七世紀スペインにおける政教関係 ... 内村俊太

─複合君主政と国家教会化

 はじめに

 一 地域国家の政体

 二 教会制度と国王教会保護権

 三 複合君主政の下での国家教会化

 おわりに

 

コラム:ポルトガルのカトリック教会と「独立」問題(西脇靖洋)

 

第2章 ポルトガルにおける権威主義体制の民主化とカトリック教会 ... 西脇靖洋

─リスボン総大司教アントニオ・リベイロの役割に注目して

 はじめに

 一 権威主義体制の崩壊とカトリック教会

 二 暫定期におけるカトリック教会

 三 民主主義体制への移行とカトリック教会

 おわりに

 

コラム:歴史を見る際の「補助線」としての理論的枠組み(内村俊太)

 

〈教育のなかの宗教を問う〉

 

第3章 ヨーロッパの公教育制度におけるイスラーム教育導入のプロセスと論点 ... 見原礼子

 はじめに

 一 ヨーロッパの公的教育機関における宗教

 二 イスラーム教育導入のプロセスと論点

 おわりに─ムスリムにとってのイスラーム教育の意味

 

コラム:世俗化社会における宗教教育と共生(増田一夫)

 

第4章 国家の世俗性のゆくえ─ロシアの宗教教育を事例として ... 井上まどか

 はじめに─ロシアにおける宗教復興と宗教教育

 一 一九九〇年代の方向転換─宗教文化教育への道のり

 二 「世俗性」原則をめぐって

 おわりに

 

コラム:多民族国家における宗教教育(見原礼子)

 

〈宗教が対立と和解に関与するとき〉

第5章 冷戦下での西ドイツ・ポーランドの和解に宗教はどう関与したのか

 

... 木村護郎クリストフ・加藤久子

 はじめに

 一 ドイツの側から─プロテスタント教会の『覚書』による世論の喚起と代替言説の提示

 二 ポーランドの側から─カトリック司教団「声明」が残した葛藤と新たな自己理解

 おわりに

 

コラム:「オトナになろう」と背中を押してくれる存在(立田由紀恵)

 

第6章 スレブレニツァのモスクと教会 ... 立田由紀恵

─内戦後のボスニアにおける宗教と社会

 はじめに─ボスニアにおける宗教、ナショナリズム、戦争

 一 スレブレニツァとは─歴史と現状

 二 スレブレニツァにおける宗教

 三 スレブレニツァの宗教指導者による融和への道の模索

 おわりに

 

コラム:スレブレニツァはヨーロッパの試験?(加藤久子)

 

〈宗教を信仰・実践・所属に分節化する〉

第7章 一九世紀イギリス文学の「世俗化」 ... 小川公代

─エミリー・ブロンテの『嵐が丘』とスピリチュアリティ

 はじめに

 一 〈教会〉から離れても〈スピリチュアリティ〉はある

 二 メソディズムの感受性文化─国教会と非国教会のあいだ

 三 物質/身体と霊の融合

 おわりに

 

コラム:霊性の彷徨はどこに向かうのか(木村護郎クリストフ)

 

第8章 聖母巡礼地における所属と実践─メジュゴリエの事例 ... 岡本亮輔

 はじめに─「危険」な聖母出現

 一 メジュゴリエを取り巻く三つの対立

 二 ゴスパの政治的インパクト

 三 所属から実践へ

 おわりに

 

コラム:ヨーロッパ的現象としてのゴスパ出現(諸岡了介)

 

〈多様な生と(不)死の時代に〉

第9章 現代イギリスにおける宗教的多様性とホスピス ... 諸岡了介

 はじめに

 一 問題の背景

 二 宗教的多様性に応じた取り組み

 三 チャプレン職の供給

 四 ホスピスの文化的基盤

 おわりに─将来の社会的課題

 

コラム:ホスピスケア、イギリスとロシアの共通点(井上まどか)

 

第10章 トランスヒューマニズムと「人新世」 ... 増田一夫

─科学技術時代の「信」のゆくえ

 はじめに─自己の身体とその境界

 一 ディスラプションの時代

 二 トランスヒューマニズムの宗教性

 三 テクノロジーの形而上学 vs 自然の宗教

 おわりに─超越としての人間

 

コラム:「トランスヒューマニズム」の系譜をロマン主義運動まで辿る(小川公代)

 

資料編

 1.各国別宗教人口比と宗教人口比将来予想

 2.礼拝出席率

 3.政教関係

 4.公立校における宗教教育

 5.ヴェール禁止とニカブ・ブルカ禁止

 6.人工妊娠中絶と同性婚の合法化

 7.平均寿命と安楽死・医師幇助自殺


貴重な資料をありがとうございました。

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